僕が自由を証明しようと思う

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読書が好きな方は、ぜひ米原万里さんの特別な文章に触れてみてほしい

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みなさん、米原万里さんという作家をご存じでしょうか?

今までたくさんの本に触れてきましたが、米原さんほど読み手を魅了する文章を書く人にはそうそう出会ったことはありません。

何より、米原さん自身が本当に文学が好きで好きでたまらなくて、常に文章に触れていたくて、「言葉」という芸術の虜になっていた方であることが、彼女の作品の随所で伝わってきて、読んでいて気持ちいいんです。

ぜひ、そんな米原万里さんの魅力を語らせてください。

 

米原 万里さんは類い稀な才能の持ち主

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彼女のまず凄いところは、数多くの顔を持っているという点だと思います。

エッセイスト、小説家、ロシア文学者、ロシア語の翻訳者、会議通訳者など経歴からすでに只者ではないわけです。

米原さんは2006年に他界されており、亡くなって12年経っても尚、たくさんの信者がいて作品が読み継がれているのは、紛れもなく米原さんが人格者であり、優れた表現者である証拠。

今も早すぎる死を惜しむ声が少なくないんです。もっと米原作品に触れたかったと…。僕もそのひとりです。

 

 

米原万里さんの代表作とおすすめ作品

「嘘つきアーニャの真っ赤な真実

米原作品でこの本は絶対に外せない。不朽のノンフィクション小説です。

著者が9歳〜14歳まで実際に過ごしたプラハのソビエト学校時代の回想から始まります。

30年後、著者が大人になり当時の同級生だったリッツァ、アーニャ、ヤスミンカの3人に思いきって会いに行くんですね。30年も経っているから何のアテもどこに住んでいるのかもわからない中で、ひとり会いたい気持ちを抱いて奔走する物語。

当時のソビエトと言えば社会主義の真っ只中。当時幼かった彼女たちが学校内・友人間の中ですら、政治的な影響を受けるほど、激動の社会主義の時代です。

読んでいるうちに、彼女たちの祖国への思い、タフに生き抜くさまに胸を打たれます。

そんな時代背景や政治的な背景も本当に絶妙に描写し、当時の幼いながらに感じた国同士の争い、それでも仲良くなった同級生に再会したいと言う強い想いに感動する名作です。

 

「偉くない「私」が一番自由」

この一冊は2016年に刊行されています。つまり、米原さんが他界されて10年後に発売されているわけです。

実はこの本、生前の米原さんと交流があり、米原さんを「教養人として尊敬し、頭の上がらない人」と公言している佐藤 優さんが米原さんの名作選としてキュレーションして作られた本なんです。

佐藤 優さんと言えば『読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門』の中で、多いときは月500冊の本を読むことを明かすほどの読書家で、そんな彼が選びに選び抜いた言わば「米原ベスト」がこの一冊です。

米原さんのエッセイや短編、対談、さらには大学の卒論までが掲載されている超貴重な本だと思います。

本書を読むと米原さんの文学、詩、活字に対する愛の深さがここまでか!というくらい伝わってきます。

なかでもロシア文学のネクラーソフ作品に生涯魅せられっぱなしであったようで、卒論もネクラーソフの文学研究でした。

米原さんの文章は切れ味が鋭くて、知的で、だけどユーモアがあって、それでいて温かくて尊い。米原さんが他界したのは56歳、そして彼女が魅せられていたネクラーソフが亡くなったのも56歳。これが縁なのかな。

 

いつでも誰の前でも自然体でいる魅力

米原さんのWikipediaには、こんなエピソードもありました。

下ネタをこよなく愛することで有名。徹子の部屋に出演した際、黒柳徹子が米原の著書『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』に出てくる瞳孔に関する有名な下ネタを紹介したため、視聴者に衝撃を与えた。

その他の趣味は駄洒落、そしてと暮らすこと。親しい友人のイタリア語同時通訳者の田丸公美子も駄洒落と下ネタが得意で、米原は田丸に自分の渾名「シモネッタ・ドッジ」なる称号を献上、田丸は米原を「え勝手リーナ」(エカテリーナ)と呼んでいた。 

文学をこよなく愛し、文学に浸かっている方は得てして硬い人が多い印象ですが、米原さんはむしろユーモアな方で、その人間性も魅力のひとつなんだと思います。

黒柳徹子が米原の著書『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』に出てくる瞳孔に関する有名な下ネタを紹介したため、視聴者に衝撃を与えた。 

特にこの部分は、ぜひ直接著書を手に取って確かめてみてくださいwウケます。

 

 

米原さんの作品に触れると、読書は心を豊かにしてくれるような気になる

「文章」というモノへの愛情の深さが本当に伝わってきて、米原作品に触れれば触れるほど読書欲が強くなるんですよね。

米原さんの独特な文章の温もりや魅力は、直接手に取ってみないとなかなか伝わりにくいかもしれません。

彼女も20年間、毎日7冊の本を読み続けていたそうです。それくらい彼女は文学を、文章を愛していました。作品からその愛がものすごく伝わってきます。

そんな米原さんが読んできた中で最高の本を紹介されてる一冊です。

ひとつひとつのレビューも半端じゃなく読ませる文章なんですよね。

読書が好き!という方は、きっと米原さんの文章の虜になる。そう言えるくらい、オススメの作家さんです。