恋愛工学を小説化した「ぼくは愛を証明しようと思う」の衝撃
「恋愛工学」ってご存知でしょうか。
作家の藤沢数希さんが提供している【週刊金融日記】と呼ばれる有料メルマガの大人気コーナーである。
この「恋愛工学」とは、恋愛を統計学・心理学の観点から研究し、藤沢数希さんの得意分野でもある"金融工学"の考え方をもとに、効果検証とテクノロジーによって女性を口説く成功率を高める方程式と恋愛ロジックのことを指す。
最近では、noteでも公開販売しているようだ。
ただ、これを読んでもかなりバックナンバーまで読み込まないとついていけないだろう。
そこで出たのが、この「ぼくは愛を証明しようと思う。」という小説である。
恋愛工学の蓄積されたノウハウがものすごい凝縮された一冊。
しかも、ストーリーになっているので読み物としても楽しめるのが良い。
完全に恋愛プレイヤーのバイブルとして確立
もともと、俺もチャラチャラしていた時があった。
プロフィールにもそんな痛い当時のことをご紹介しているのでぜひw
自分らが女性と遊んでいた時代は、「ザ・ゲーム 退屈な人生を変える究極のナンパバイブル (フェニックスシリーズ)」というバイブル本が鉄板だった。
これもある意味、ものすごい衝撃的な一冊であるが…。
ただ、現在は圧倒的に「ぼく愛」こと「ぼくは愛を証明しようと思う。」が教科書となっている。
また、ホリエモンこと堀江貴文さんも、「恋愛工学」メルマガを愛読していることで知られており、こんな対談までしている。かなり面白い。
恋愛工学。いまでは金融や広告など様々な分野が数理モデルに従って動いている。かつては文系人間たちのガッツで回っていたこうした業界は、いまや複雑なアルゴリズムを操るオタクたちが牛耳っている。だったら、恋愛だって同じことになりはしないだろうか?答えはイエスだ。
「ぼく愛」のオープニングである。
モテない状態=非モテコミット
恋愛工学の基本である。
非モテコミットとは、"出会いや経験の少ない男が、その気のない女性にちょっと優しくされただけで「この人しかいない」「この人なら落とせる」と必死になってしまうさま"のことである。
「非モテコミットというのは、お前みたいな欲求不満の男が、ちょっとやさしくしてくれた女を簡単に好きになり、もうこの女しかいないと思いつめて、その女のことばかり考え、その女に好かれようと必死にアプローチすることだ」
これはただ、非常にわかる気がする。
いわゆるフェロモン、雰囲気がないのだ。
ぶっちゃけ、女性はよく「チャラい人は無理」という表現をするが、なんだかんだ「チャラい男性」ってモテる。
もっと言うと、モテるからチャラいんだとさえ思っている。
モテの法則
モテ=ヒットレシオ×試行回数
ヒットレシオとは、簡単にいうと「フィニッシュまでいける確率」のこと。
何度も繰り返し試行(アプローチやトライ)し、ヒットレシオ(フィニッシュまでいける確率)を高めることによって、モテるスパイラルに入る、と。
「お前みたいな欲求不満の平凡な男のヒットレシオは、試行回数の定義にもよるが、10%も行けばいいほうだ。まともにトライできる女の数は、年に3人ぐらいってとこだな。そうすると、1年当たりに獲得できる女の期待値は、10%×3人=0・3人。
モテない男性の年にトライできる女性は3人、確率は10%で0.3人だそうな。
「このヒットレシオと試行回数を最大化するために、様々な恋愛工学のテクノロジーが開発されているんだ」 「れ、れんあいこうがく?」 「進化生物学や心理学の膨大な研究成果を基に、金融工学のフレームワークを使って、ナンパ理論を科学の域にまで高めたものだ」
恋愛工学の真髄がここに詰まっている。
そして、この小説の中で、非モテな主人公のワタナベくんが劇的な変化を遂げていく。
恋愛工学の本質とは
恋愛工学の様々なアプローチ手法やナンパテクニックを身につけて、主人公のワタナベくんは、もはや別人となる。
その過程やトレーニング内容・ノウハウは、本書「ぼくは愛を証明しようと思う。」を読んでもらいたいので割愛する。
ただ、モテ始めるとワタナベくん然り、女性を見下しはじめるフェーズに入る。
ようはモテることによって「遊んでやっている」という上から目線になってしまい、簡単にいうと調子こいてしまうのだ。
本当、男って満場一致でバカな生き物であるwwww
ワタナベくんも無論、そんなバカフェーズに突入する一幕がある。
「目的? そんなのセッ○スさせてくれる女を探しに行くことに決まってるじゃないですか。恋愛工学って、そのためのテクノロジーじゃないんですか?」 「つまり、お前は自分の快楽のために、女を探しに街に飛び出すわけか」 「女なんて、モノのように扱ったほうが、非モテコミットにならずに、モテるんじゃないんですか?」 「お前、わかってないな」
わかっていないそうだ。
そして、次に恋愛工学の本質となるセリフがある。
「そのとおりだ。そして、売り物なのは俺たちのほうだ。俺たちがショールームに並んでいる商品なんだよ。俺たちは、自分という商品を必死に売ろうとしている。女は、ショールームを眺めて、一番自分の欲望を叶えてくれそうな男を気まぐれに選ぶ。俺たちのような恋多きプレイヤーは、じつのところ、そうやって気まぐれな女に、選んでもらうことを待つ他ないんだよ」 「僕たちが商品なわけか……」 「そうだ。お前が選ばれる側だ。決して女を選べるわけじゃないんだ。俺たちができることは、自分という商品を好きになるチャンスを女に与えることだけだ」
あくまでも選ばれる側なのは男性の方なのだ、と。
調子にのるな、と。
女性に選んでもらうための努力が「恋愛工学」、女性に喜んでもらうため、楽しんでもらうために「恋愛工学」があるのだ、と。
モテる人は、モテるがゆえにモテる
そして、究極はこの法則である。
身の回りにもいるんじゃないだろうか。
「なんであいつあんなにモテるんだろ。」ってやつ。
その理由は簡単。「モテるからさらにモテる」のである。
かっこいいからイケメンだからモテるのではない。
イケメンでもモテないやつなんて腐るほどいる。
なぜか、モテ始めるともっとモテているという経験をしたことはないだろうか?
まさに、この状態が女性を惹きつけているのである。
なぜならモテている男性は、ルックス関係なく、
- 余裕がある
- 顔つきに自信がある(決して顔ではない)
- 目が合う時間が長い
モテ状態にある人は、決まって無意識にこうなっているそうだ。
結果、そのオーラや雰囲気、色気に女性は惹かれる。
従って「モテる人というのは、モテるがゆえにモテる」というスパイラルを生み出すのである。
その状態を生むために必要なモテる法則が、ヒットレシオ×試行回数という方程式なのだ。
この小説の本当にすごいところはクライマックスにある
本書は、ナンパ・恋愛バイブルとして、かなりのボリュームで口説きテクニックが出てくる。
それもストーリーとして対女性を想定した形式で読めるので、とてもイメージが具現化しやすく、教科書として実践もしやすいのだ。
本書は、ほぼほぼ非モテくんがモテるようになるために、という内容なので、かなりチャラい。そして、読み方によっては女性を落とすのは簡単と捉えられそうな刺激的な内容。
だったのだが、
クライマックスに見せた伏線からのどんでん返し
これを書いてしまうとネタバレになるんで、読んでもらいたいのだが、このクライマックスの持っていき方に藤沢数希さんの作家としての天才っぷりが発揮されている。
果たして、超非モテくんであったワタナベくんが、恋愛工学によりたくさんの女性を落とすプレイヤーとして生まれ変わった、その末に選択した結論をぜひ読んでもらいたい。
ここに「ぼくは愛を証明しようと思う。」というタイトルの意味が詰まっている。
愛ってなんだろう、が最後に哲学的にかけめぐるようなラスト。
そこくるかぁ!
という大どんでん返しがきっとあなたを驚かせる。
この本は、すべての方が一読して損はしない一冊として強くオススメしたい。
もっと言うと、俺のブログタイトルは実はこの本から応用させていただいてるw
それくらいのインパクトなので、ぜひ読んでみてください。
◇2016年7月22日 追記
なんと「ぼくは愛を証明しようと思う」が大人気につき、コミック化されました。
なんといってもマンガはイラストとともに読めるので、よりリアルな理解ができると思いますよ!
一度きりの人生、おもいっきり楽しもうぜ!