絶対ハマる!『闇金ウシジマくん』のリアルな世界観に衝撃を受けた
『闇金ウシジマくん』を初めて読んだときの衝撃はいまだに忘れない。
ぼくは正直、『闇金ウシジマくん』を食わず嫌いしていた。なんとなく、社会の裏側を描いている漫画は面白くないイメージが強くて、それだけで敬遠していたのだ。
たぶん、同じような理由で読んだことのない人は多いんじゃないだろうか。
ぼくは食わず嫌いを越えて、読んだときにあまりのおもしろさに衝撃が走った。この作品のリアルさがなんとも言えない。強いていえば社会勉強にもなる作品なのだ。
情報にウトい人ほどハマる面白さ!
こういったどちらかと言えば社会の裏側のリアルを描いた漫画は「ナニワ金融道」とか、「極悪がんぼ」なり、「ミナミの帝王」など、ぼくたちとはかけ離れた世界を描いている作品が多いし、自分たちとはあんまり関係ないや、と思ってしまう世界の話が多いと思う。
でも、この作品は全く違った。
この世界のことをあまり知らなくても、「あっ、これはリアルだ。」と分かるくらい生々しいのだ。
ちょっと情報弱者な人だったり、気を抜いたりするとハマってしまうダークな世界を非常にリアルに描かれている。
とにかく、めちゃくちゃ勉強にもなるので、一度読んでインプットする価値あるマンガだと思う。
作者・真鍋昌平さんの切り込みまくった取材が反映されたリアルな描写
『闇金ウシジマくん』のリアルさは、すべて作者である真鍋さんの取材力に尽きる。
この漫画が発売されていた当初は、ちょうど与沢翼を筆頭とした「ネオヒルズ族」が世間を賑わしていた。
真鍋さんは、裏社会や闇金、そして当時の情報商材ビジネスを生業としていたネオヒルズ族を徹底的に取材していたそうだ。
その結果、リアリティーの高い闇金業者の連鎖が事細かく書けるわけである。
あまりの深い切り込み方に、ときには取材対象者にめっちゃめんどくさがられていたらしい。
ただ、その執念とも言える丹念な取材が、ただの任侠作品に近いヤクザ物の裏社会系マンガとは訳が違う。
下手なドキュメンタリーよりもリアルなダークサイドを知れる作品
世の中の闇金利用者の生態は、もはや未知の世界なわけだ。
どんな人が闇金に手を出してしまうのか。そして、手を出すとどんな未来が待っているのか。
ちょっとした人間の弱さが招く残酷な現実だが、その弱さはみんな誰しもが持っている。
社会問題やタイムリーな題材への作者の観察眼は鋭く、容赦の無い描写がものすごく怖い。
現代社会の最下層に生きる人たちの描写は怖いほどリアル。安直に「マンガだから」とは思えないのだ。
現実にどこにでもありそうな生活のひとコマを覗いているようで薄ら寒くも感じる。
かなり悲惨な顛末が多いが、何事にも達観したウシジマの存在によって、それらの悲劇をあくまでもドライに見せていて、そこに作者の力量を感じずにはいられない。
なんとなくその辺のヤクザ物作品の匂いがして、敬遠していた方。
もしくは造られたフィクション色満点のホラーに飽きた方。
ぜひ、だまされたと思って、少しでも気になった方はこのマンガを読んでみてほしい。
リアルな描写と、スピード感のある展開に巻き込まれることを約束する。
Kindle派な人や、まずは1巻から読みすすめたい人はこちら。
ちなみに、今月7月からは再度深夜ドラマが展開され、秋には映画も公開される。
下手なドキュメンタリー番組を見るより、このマンガ・ドラマ・映画を見たほうが、リアルな日本人のダークサイドを知ることができることは間違いないおすすめの作品である。