『ブログ飯』読了!評判通りの名著だったので感想を書く
ブログを書いている人には、まずおすすめしたいと口を揃えて言われる『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』を読み終えました。
この本は、タイトルからもブログだけで生活していくことを目指す人に向けた教本として紹介されることが多いんですが、そうではない(単純にブログをもっと楽しみたい!)というブロガーさんでも読めるような良書でした。
- ブログの収益化についてイメージが湧いていない方
- ブログ運営のモチベーションが低下している方
- ブログの続け方(ブログのネタ不足)に悩んでいる方
- ブログで成功している方の具体論を知りたい方
これらに当てはまる人は、一度読んでおく&手元に一冊置いてあって損のない本です。
『ブログ飯』について
ぼくがこの本を手にしたのは、先日Kindleで実施していたセールの対象になっていたのがきっかけです。
無理しない稼ぎ方の大原則。専門知識がなくても、有名じゃなくても、妻一人子一人(+ネコ一匹)を養える!
テクニックありきではない人気ブログの作り方を解説したSNS時代の新しい生き方本。
自分の好きなこと(個性)をネットで収入に変える方法を、根本となる考え方や具体的な収益方法を交えて解説しています。著者は人気ブログ「Xperia非公式マニュアル」を運営し、Google AdSenseの成功事例としても取り上げられたプロブロガー。ネットで集客して収益に結びつけるまでの道のりを体系的に学べる一冊です。
本著の概要から見てわかる通り、実際にブログで家族を養いながら生活を続けている著者の実践的な内容が書かれています。
著者はブロガー業界では、超有名人の染谷 昌利さんですが、当然ながら最初からうまくいっていたわけではないんですね。むしろかなりの苦労をされています。心も折れかかっています。そんな、誰しもが通るような苦労話も包み隠さず本書の中では語られているところが良書と言われる点だと思います。
著者である染谷さんは、本書のなかでこのようなことを述べています。
●「自分は文章を書くのが好きか」
●「人に伝えたいことはあるか」
●「何か表現したいことはあるか」
●「一晩中でも話していられるような趣味があるか」
●「自分の経験や知識の中で人に喜んで貰えるようなことはあるか」
これらのうち、なにか一つでも引っかかるようなことがあれば、ぜひ気軽にブログを書き始めてください。
稼ぐことを目的にブログを始める人は続かないと述べています。
なぜなら、ブログで稼ぐということは、結果が出るまでに時間を要する上に、辛抱強さが必要なためです。好きだからこそ成り立つ仕事で、"稼ぐ"ことを目的でやっている人は、まず読まれない期間の辛抱ができないということですね。
特に大事なことは「文章を書くことが好き」であること
この中で一番大事なのは、「文章を書くのが好き」かどうか。
人に伝えたいことがあるかどうかより、何か表現したいことがあるかどうかより、一晩中語れるような趣味があるかどうかよりも、「文章を書くことが好きかどうか」がなによりも重要。
ぼくが印象に残っているのは、「好きかどうか」と表現していることです。文章が「うまいかどうか」ではなく「好きかどうか」。この概念にとても共感を覚えるんですよね。
時間を忘れて文章を書くことに没頭できること、ストレスに感じないこと、ブログを書く上での構成を考えたり、ネタを深堀りするためにリサーチすることを面倒くさいと感じないこと。
ブログを始めてみて思ったことは、ひとつの記事を書くと早くても1時間〜1時間半は時間を取られます。さらには、ブログに取り上げたいテーマがあったときに、もっと深い情報を記事にしたい!とか、まとめ風に仕上げたい!というときに、記事に書き起こす前にリサーチする、というタスクが生まれます。ここまでやりきると実は作業ボリュームとしてはなかなか重たいんですよね。
- 記事を書く前にリサーチを行う
- リサーチ結果を自分色の記事に変換して、自分の記事をうまく溶け込ませる
- 記事の構成を考える
- 文章に具現化して、記事を書き始める
- できあがったら最終チェック、誤字脱字・校正の確認
ひとつの記事を仕上げるにも、かなりのタスクを実はこなしています。
好きじゃないと絶対に長続きしないんですよね。
「文章がうまいかどうか」なんて二の次という本書の中の言葉は大変に共感しました。
最後の鬼嫁コラムの読みごたえ満点さもハンパない
著者の染谷さんが「仕事をやめてブログだけで生活したい」と奥さんへ相談したときに、奥さんは大賛成をしてくれたそうです。
実は、本書の最後に奥さんが賛成したときの心境を書き下ろしたコラムがあるんですが、それが面白いのなんのって!奥さんブロガーやったら絶対人気出るじゃんっていうレベルでしたね。
2009年。マサオは退職し、ブログで家族を養うことになりました。周りからは「このご時世に不安でしょ?」「よく退職を許したね」と言われましたが、不安を感じた事は一度もありませんでした。それどころか「いつ辞めんの?」「早く辞表出しなよ」と、毎日焚き付けていました。なぜなら閑散期に悠々と人気スポットに出かけられるし、一日中家事と育児を手伝ってもらえるのです。
こんな奥さん、めっちゃ素晴らしくないですか。たぶん相当メンタルの強い方ですよね。
本書『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』を読むとわかりますが、このときまだ染谷さんはブログでの収益は一切なかったですからねww
そんな段階で、逆に辞めることを促す奥さんってハンパじゃないです。これはやるしかなくなりますよ。
会社を辞めて1年はほどんど収入がありませんでした。普通の奥さんなら、そこでパートに出たり、資格を取ったりするのでしょうが、その時期に私が提案&実行したことは、海外&国内旅行を5回、新車の購入、本場タイでの瞑想修行(夫と子供はなぜか道連れ)。
いやぁ〜、奥さんクレイジーwww
果てしなくクレイジーですね、はい。ほんと鬼嫁コラムおもしろいです。
そして、極めつけはこちら。染谷さんとの出会った当時の話なんですが、
当時の私は、なぜか「IT関係者=セレブなオタク」という印象を持っており、ブロガーと呼ばれる新種の猛者も、ここに含まれると思ってました。きっと彼らは、夜景の綺麗なタワーマンションで、夜な夜なPCを片手に仲間達とグラスを傾けているんだろうな……。都会に憧れる田舎娘のように、三十路越えのおばさんが妄想していた矢先、パーティのお誘いを受けました。
しかし、パーティ会場は、デジカメを持った地味な学生やおじさんの巣窟で、IT猛者らしきメンズは1人もいなかったのです。完全に行き場を失った私は、隅っこで酒を呷るだけの存在と化しました。するとそこに、メガネのサラリーマンが3人、名刺を持って現れたのです。
メガネA=恋愛ブロガー。メガネB=遊園地ブロガー。メガネC=企てる人。
……ん?『企てる人』って何?!
私は思い切って聞いてみることにしました。
「あの……『企てる人』って、何を企てているのですか?」
するとメガネCは狼狽し、バツが悪そうに頭を掻きながらこう答えたのです。
「そ、そ、それは……今から考えますっ(汗)」
いや~、久々に度肝を抜かれました。間違いなくアホだと思いました。
しかしその1年後、自称・企てる人と私は、あろうことか結婚してしまったのです。
すみません、ここ爆笑しましたww
奥さん、普通に作家業をやってらっしゃる方のような文章ですよね。
ただ、ここで注目すべき点は、その「自称・企てる人」が今や誰もが認める「企てる人」になっているということだと思うんです。
本を読んだだけでは稼げない、でもこの本には他との決定的な違いがひとつだけある
他本との決定的な違いは、ただただノウハウだけを書き記しているノウハウ本ではない、ということです。
『ブログ飯 個性を収入に変える生き方』の読みやすい点や学べる点は、むしろ収益が上がり始める前の苦労や焦り、不安、仕事を辞めた後悔、家族を養う責任と重圧がノンフィクションで描かれていて、共感しやすくなっているところにあります。
そして、上述のとおりちょっとクレイジー(?)な奥さんは、それでも染谷さんを叱咤激励して後押しを続けていたこと。それにより、迷いから吹っ切れた染谷さんの目まぐるしい努力と勉強法、具体的な戦略がしっかりと書かれています。
この本を読んで、「ブログだけで稼ぐことの難しさ」を理解できます。よくあるノウハウ本のように、誰でもできる!すぐできる!的な無責任な記載はありません。
起きている時間はすべてブログに注いでおり、外出していても常にブログに応用できそうなことはないか、など頭の中はずっとブログのことであったことがわかります。それだけの情熱とブログが好きという愛情がなければ育たなかったであろうことは、容易に想像がつきます。
稼ぐことの簡単さをウリにしているノウハウ本が乱立している中で、稼ぐことの難しさを教えてくれて、その上で正しい努力を死ぬ気でやれば実ること、その方法を公開してくれているのが本書のすばらしいところだと感じます。
だからこそ、すごくリアリティーがあるし、死ぬ気で努力したくなるほどブログが好きじゃないと続かない。と染谷さんが一番大事にしているマインドにも納得。
キレイごとばかり述べているような本とは違って、失敗談・苦労話・努力論、その成功までの過程がわかりやすく順を追って読める本は他にないかなって思います。
ブログをやっていてまだ未読の方、ブログというものに興味のある方は、ぶっちゃけ必読・必携の一冊だと思いますよ!